2016/02/04

喫茶いこま

自宅兼スタジオを改装始めてから朝食は決まって近所に点在する喫茶店で摂取していた。2015年夏から始めてそれが今でも続いている。ただ朝食を摂るのではなくてブックにアイデアをスケッチしたり、自宅兼スタジオにはテレビが無いので週刊誌に目を通したり、それぞれの喫茶店の常連のじぃさま、ばぁさまの会議に耳を傾けたりして、時折その常連客とも少ない会話を交わしたりして。それが日々の社会との接触だった。僕の制作のアイデアの大半はこの午前中のスケッチによって生まれている事が多い。その中でも比較的通う回数が多かったのが喫茶いこまだった。巻きたばこがきっかけでマスターとは少ない会話を交わす様になった。マスターも好んで巻きたばこ、パイプで煙草をふかしていた。その後ろ姿をいつも座る席から見てた。結局同じ銘柄の煙草を好むようになった。時々、打合せで街へ出て地下鉄を降りた帰り道、夕暮れになって誰も客がいない喫茶いこまでマスターと2人、「こんな仕事があってよ〜」一息休憩して話す時間も好きだった。自宅兼スタジオの改装の事をいつも気にしてくれていた。時間がゆっくり流れている喫茶店で、東京からやってくるミュージシャンの友達を連れて行ったりした。東京から、地方から来る客人をいつも楽しみにしていたマスターだ。朝、マスターは店で倒れてそのまま向こう側へ行ってしまった。最後のモーニングになったあの日、僕はマスターと会話する事なく店を出た事を、ゆっくりとドアを開けて行く僕を見送ってくれてたのかな。「またね〜」と一言だけ、僕はそう言って店を出た。
グッバイ マスター。

3月5日インベーダーラダトーム2は喫茶いこまのマスターに捧げるぜ。

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