表現の場つくる 名古屋の美術家・鷲尾友公さん個展「SITTING NEXT TO YOU」

It’s Not the End of the World

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It's Not the End of the World

街を歩いてふと足元に目にする様になったのはマスクであります。朝8時スタジオに向かう、道端に落ちているマスク一つ。角を曲がる直進してしばらく2つ目のマスク。2ポイント。地面には暗号とも見て取れるスプレーの印の数々、ここ数日、水道工事が盛んに行われている。デコボコのアスファルト。翌日には舗装され綺麗に輝く心地よいアスファルト。街には戦後の空襲を逃れたであろう長屋が残り、反面役目を終えた民家は無残にも解体されそこに新しい住居が建つ。または駐車場になる。時代が交差する。街を観察していると興味の先はやはり戦後から高度成長期を支えた跡姿だ。そこに佇む時間の経過を示す様に無造作に置かれている鉢、その上になんの脈略も無く置かれている土鍋、その横には更に重なり合い置かれている鉢また一つ、屋根上に強引に設置された室外機、そしてドローイングかの如く配線されるホース。描かれたキャンバスに付け足していく絵具かの様に形成されていく民家の姿。玄関先から聞こえてくる土間で鳴っている野球中継。蚊取り線香の匂い。この街が自然に創り出すクリエイションが今の僕のインスピレーションの源となっている。この移り変わっていく景色の中に取り残されてしまうであろう手君もきっとそうです。夕暮れになり18時、スタジオを後にし曲がり角、落ちているマスクまた一つ。今日もこの街は平和です。 

わしおともゆき

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